質問回答②:公務員試験で考慮される要素について
ご質問ありがとうございます。
それぞれお答えしていきたいと思います。
毎度お答えが遅くなって申し訳ありません。来年度以降に受験する方に少しでも役立つとよいなと思い遅まきながらお答えします。
はじめに
まず、私は人事に配属された経験がありませんし、以下で書くことはすべて推測であることをお断りしておきます。
さて、ご質問の3つの要素ですが、「ほぼ全く関係ない」と私は思いますし、「全く関係ない」と思って受験するべきだと思います。
あげてくださった3つの要素はあくまで「試験」を構成するものです。「公務員試験」と大きくくくるので何やら採用プロセス全体が試験かのように思ってしまいますが、官庁訪問は採用の面接であり試験ではありません。
なんのために官庁訪問があるのかといえば、試験では測れないものをそれぞれの官庁が測りたいからに他ならないですよね。
(試験ですべて測れるならば、それこそ上から席次順で定員まで取ればよいわけです)
このように大局的に見れば、いよいよご質問の3つの要素がいかに関係ないかがわかると思います。
もし、みなさんが入りたい省庁の人事がこのような要素を重く見て採用を行っていたとすれば、それは「私達は試験以外で人を測る目を持っていません」と宣言していることと同義です。
各省庁の人事はそこまで無能ではないので、きっちりみなさんをみる目をもっていると思いますし、そう信じられるような組織を選択するべきだと思います。
前置きが長くなりましたが、一応各要素についてご説明します。
(1)試験区分
各省庁が、採用予定の試験区分をHPに書いているのでまずそちらをご確認ください。
採用予定の試験区分に合格して官庁訪問に行った場合、あなたには必ず合格の可能性があります。
官庁訪問時点で、試験区分のせいで合格できないといったことは確実に無いと断言できます。
例えば法律区分からの採用が多い官庁があるとしましょう。
この理由としては、
①その官庁が法律区分の合格者を優先して採っている
ということも考えられますが、
②そもそも法律区分の受験者が多い
という可能性も示唆されます。
「卵が先か鶏が先か」的な議論になりますが、一度①か②のどちらかが起きると、両者の相乗効果で雪だるま式に法律区分の採用が増えることが考えられます。
受験者と官庁側に情報の格差があるのでこのような「〇〇省は〇〇区分が有利」という言説が非常に広まりやすいこともあると思います。
さて、ここからは更に憶測ですが、
官庁側に明確に「〇〇区分から〇〇人」という採用基準は無いと思います。
まず、優秀で自らの組織にフィットする受験者は区分に関係なく内定を出すはずです。ただし、当落線上にいる受験者については、他の要素で優劣がつけがたければダイバーシティの観点などから採用区分を考慮して内定を出すことはまったくないとは言えないと思います。(いろいろなところから採っておけば、各区分の受験者にアピールでき、受験者のパイが増える可能性もありますね。)
(2)席次
こちらも試験区分と同じようなことが言えると思います。
つまり「関係ないが、他の要素で差がつかなければ参照しうる」ということです。
席次が良いのはもちろん良いことですが、試験に合格している時点で、合格者の能力は一定程度保証されています。
面接でみたいのは、試験の能力ではなく他のなにかであることは明らです。
面接官は主に現場の職員が担当しますが、彼らは皆さんのエントリーシートしか持っていません。エントリーシートには席次を記載する欄が無いのが一般的だと思います。そして、当然最終的には人事の判断ですが、採用・不採用にしめるかなり大きなウェイトはこの現場の職員の評価によっています。
人事側からみても、席次を重視するのは自らの、あるいは組織の構成員の眼力のなさを認めているようなものなので、これを積極的に採用の指標として用いることはないのではないかとおもいます。
(3)科目
これについては上記2つより更に関連がうすそうです。
公務員試験の試験勉強が実際の業務に直接的に活きることは残念ながら多くはありません。また、仮に活きたとしても、そのアドバンテージは「初心者ではない」ぐらいのもので、実際の業務に要求される水準には達しないことがほとんどだと思います。
試験区分や席次にも同じことが言えますが、選択科目がなにかによって、公務員になった後のパフォーマンスには全く影響がないといって良いと思います。
おわりに
月並みな回答になってしまいますが、試験区分や科目については、皆さんの興味やそれに準じた合格可能性だけで考えて良いと思います。(あくまでみなさんが働きたい省庁が当該区分の採用を行っていることが前提です。)
合格した暁には席次は気にせず、官庁訪問に臨んでいただけたらと思います。
官僚と席次について、面白い論文がありました。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/eds/100/0/100_265/_pdf/-char/ja
古くは内務官僚に席次が良い人が集中していたようですね。
そして、各省庁が時代とともに生え抜きの官僚を育てるようになってきた様子が伺えます。
現代はもはや画一化された能力だけが必要な時代ではありません。
この研究のような席次の概念はあまり考慮されず、多様な職務や様々な環境にマッチする職員をそれぞれの省庁が選び取る時代になっているのでは、と私は思っています。
質問はこちらからお待ちしています。
頑張って早めにお答えするつもりです。
質問回答①:残業について
質問箱を設置したのに忙しさにかまけて回答をサボっていて申し訳ない…
では早速回答していきます。
一問目!
こんにちは。ご質問ありがとうございます。
大学2年生から将来を見据えているのは本当に立派ですね。なにかお役に立てればと思うのでどんどん質問してください。応援しています。
さて、本題の残業ですがについて。皆さん気になるところですよね。
月並みな回答をすれば「省庁・部署による」ということになるのですが、それでは身も蓋もないのでもう少し真摯に回答したいと思います。
ここでは
①残業時間
②残業の質
③残業の対価
の3つの観点から残業についてお答えします。
①残業時間
まずは残業時間です。
参考までに今年度の僕の月の平均残業時間は、90時間/月くらいだと思います。
同じ省庁の同期の中で比べると中の下くらいの残業時間でしょうか。
一番少ない人で20時間くらい、一番多い人でも200時間は行かないと思います。
(※僕の所属する省庁は全象徴の中ではそこそこ平均した残業時間の多いほうだと思います。)
過労死ラインが80時間と言われていますね。
当然人それぞれ心の強さも身体の強さも違いますから、個人的な感触であることは明記しておきたいのですが、僕は現在の労働時間では過労死には程遠いと思います。特段体調を壊したりしたこともありません。
ただ、この残業時間だと平日家に帰ってなにか生産的なことをするのは少し難しいです。相当な気合がないと帰って寝るだけになってしまいます。
公務員の残業についてよく言われることですが、残業の多寡には季節性があります。主に残業が多くなるのは国会の会期中・法律改正前などですね。この時期には終電のあとに帰ることも増えます。
逆に言えば、これ以外の時期や、国会会期中でも翌日国会のない日などは定時で帰れたりすることもあります。
②残業の質
次は残業の質です。
幸いなことに、「上司がいるうちはわけもなく帰れない」というような悪しき慣習は、僕の職場では払拭されつつあるように思います。
官僚機構としてムダがないか?組織としてムダがないか?国会システムにムダがないか?という構造的な問題を論じるのは今後の課題として、少なくとも属人的な「無駄な残業」は僕はあまりした記憶がありませんし、そういった理由で苦痛を感じたこともありません。
ただ、特に若いうちの仕事の質として、期限が非常に短いものが多いです。(即日!とか、3時間後!とか笑)
これらに対応する残業も多いため、いつどのぐらい残業するかはほぼアンコントローラブルと言って良いと思います。
今日はデートの予定だったのに…などという恨み言もちらほら聞こえてきますね笑
③残業の強度
最後に、残業の「強度」の問題について触れておきたいです。
民間企業に就職した友人と話していて思うのが、残業は時間だけでは測れないということです。
強度ってなんだよ!と思いますよね、僕の造語です笑
世の中の仕事には様々な種類があり、その質は一概に「強度」という単一のものさしで図れるものではないと思います。
ただ、あえて定義すれば仕事中の必死感や緊張感、切迫感を数値化した感じでしょうか。
この点で言って、僕の残業のなかには強度の弱い残業が含まれます。
よく言われる「国会待機」などはその典型です。
無論、公務員である以上業務中遊んでいるわけではないのですが、朝から晩まで本気で「強度の強い」仕事をし続けられるスーパーマンはなかなかいないと思います。
待機している時間は、その日溜まった雑務などをこなしつつ、来るべき強度の強い仕事に備えて休んでいる側面もあるわけです。
仕事の大変さは時間×強度だと言えると考えています。
こう考えると、公務員は確かに残業時間は長いですが、一概に時間だけで比較するのも間違っているのではないかなと思うわけです。(大変な仕事であることに相違ないですが)
みなさんが仕事の大変さについて考えるときには、残業時間についてのみ着目するのではなく、その強度についても考えてみるのが良いかと思います。
色々な企業や官庁の職員と会う機会があったら、強度についての質問をしてみるのも良いかもしれません。
以上、残業時間についてでした!
質問はまだまだ頂いているので早いうちに回答しようと思います!
銀杏BOYZ-BABY BABY
新宿は小雨だった。
大学の友人達と神宮で野球を見る約束をしていた僕は、前日わざわざ地方から東京に戻
ってきていた。
ほかにも用事はちらほらあったが、メインは野球。正確に言えば、野球と友達が恋しているというビールの売り子を一目見ること、だった。
だがあいにくの雨。
「この小雨なら野球できただろ」
そう空に文句を言いながら、だらだらと新宿に集合し、たいして盛り上がることもないまま3,4軒安居酒屋をはしごする。
日付も変わりそうなころ、友人たちは一人、また一人と帰っていく。
形式的に引き留めるが、一緒に終電を逃す仲間がほしいだけ。みんな耳を傾けない。
結局残されたのは、ビールの売り子に恋している彼(童貞)だけであった。
ゴールデン街に行だらだらと飲み続け、時間は25時。
彼のボトルがいれてあるという御苑方面のバーを目指した。
雑居ビルの地下に入ると、さびれた飲み屋が並ぶ中、目指すバーだけ異様な熱気を放っている。嫌な予感がしたが、雨の中新宿まで引き返すのも億劫だ。
彼と僕は目を見合わせたが、意を決して扉を開けた。
入った瞬間五感を破壊される。
狭い店内に30人ほどの絡み合う男女、立ち込めるたばこの煙。圧倒的な酒のにおい。カラオケの大合唱。熱気熱気熱気、、、
ああ、僕の来るところではなかった…。後悔する間もなく、彼が常連に捕まった。
童貞のくせにいっぱしに女の子に抱き疲れて歓迎されている。
所在のなさオブザイヤーを受賞中の僕は、「デレデレするんじゃねぇよ」と呪詛の言葉をぼそっと吐き(当然カラオケで聞こえないのだが、)安ウィスキーのボトルと炭酸水のペットボトルを受け取って、奥にわずかにあいているソファー席に陣取った。
店内を見回すと、全裸の男が数人。誰彼構わずキスをする女や寿司を投げ合っている男女。地獄絵図である。人間を人間たらしめているのは理性ではなかったのか。
救いを求めて友人の方を見ると別の女の子にべたべたされてデレデレとしている。救えねぇ…。救われねぇよ…。
さらによくみると同じTシャツを着ている人が何人かいる。
「sake部」
なんだその安直な部は。なめているのか?
万年帰宅部だった僕は基本的に「部」に所属している人はすべて尊敬しているのだが、こればかりは許しがたい。
そのカラオケの絶叫とサケブでかかっているのか?やかましいわ。
イライラで手が滑りめちゃくちゃ濃いめのハイボールが出来上がったが、酔わなきゃやってられないオブザイヤーにもノミネートしていた僕はグラスの半分ぐらいを一気に飲み干した。
グラスを机においたその時だった。
ある女の子が急に僕の膝の上に座ってきたのである。電光石火の早業、不可避の速攻であった。
言葉を失う僕、何事もなかったように膝の上で酒を飲み始める女の子。
「ほら、びっくりしてるじゃんやめなよ~」
ともともと僕の隣に座っていた女の子が言う
「いいじゃ~ん、空いてないんだもん」
僕の存在はなかったかのように会話が続く。
僕はそうして椅子男になった。
休み時間、教室に帰ってくると女の子が自分の席に座っているやつ。
あの漫画でよく見るシーン、席を占拠されているいけてないオタクの気持ちが、今わかった。
ただ一つ、僕は席を占拠されたのではなく椅子自体が僕であるという状況。
安部公房なら砂男。
ダメ官僚なら椅子男だ。
太ももに当たる柔らかい感触にさっきまでの怒りを忘れそうである。
ああ、自分が憎い。こんな、こんな横暴をちょっといい感触だからって許していいのか。
イケてる男ならばここでさっと腰に手を添えて、小粋なトークをかますのだろう。
ただ僕は必死だった。怒りを忘れないようにすることにではない。
下半身が反応しないようにすることに。
どうするというのだ
「え、すわっただけなのになんか当たるんだけど~~ww」
これはいけない。本当にいけない。
人間を人間たらしめているのは理性なのだ。
さっきまで周りを軽蔑しきった目で眺め、やれやれ感を出しながらハイボールを飲んでいた男がそれでは格好がつかんのだ。
社会的死はすぐそこに迫っている。
僕の手は所在投げにさまよい、女の子の腰のわきを数ミリ単位でさけ、そしてそのまま触れることなく前へと突き出された。そう、ビーダマン状態である。
前へならえをしながら、僕は敗北を認めていた。
嬉しい、座られて嬉しい。
そのソファーには男も沢山いるのに、その子は僕の膝に座ったのだ。
誇らしいではないか。自己承認欲求がみるみる充足されていくのを感じる。
謎の自信が湧いてきたその時、
その曲は流れ始めた。
イントロが流れると、周囲の空気が変わる。
青春の土臭い香りがする。
今までキスをしていた男女も、裸で女の子に迫っていた男も。
みんな歌っている。
ごめん、僕はお前らと違うと思ってしまって。
気づいた。
みんな童貞だったのだ。
みんな今も心は童貞なのだ。
聞いてください。
BABY BABY
国家総合職教養区分対策 ちょっぴり具体編
今日は教養区分の具体的対策について書いていく。
努力は(ほとんど)必要ないので、参考にしてほしい。
具体的にどんな試験?
教養区分は全部で5つのパートからなる。
~~~一次試験~~~
①基礎能力試験I部Ⅱ部
~~~基礎能力を合格してないと読んでもらえない壁~~~
②総合論文試験
~~~二次試験~~~
③政策課題討議試験
④企画提案試験
⑤人物試験
だ。
わかりやすく書くと
①数字パズル&英語試験と運試し
②作文大会
③グループディスカッション
④プレゼン大会
⑤面接
という感じ。
では以下それぞれについて解説していこう。
①基礎能力試験
基礎能力試験は1部と2部からなる。
1部は知能分野とかかれているがここでいう知能とは
・パズルが得意か
・英語人並みにできるか
のことである。
ちなみにパズルが16題、英語とあと何の変哲もない国語の問題が8題だ。
教養区分受験の勧めでも触れたが、ここではパズルが重要だ。
このパズルは全然難しくない。よく考えればわかる問題ばかりだ。
ただしなんといっても時間が足りない。後半の知識分野が極度の運ゲーであることを考えるとここで取りこぼすのは結構いたい。
「知能」という言葉に騙されてはいけない。このパズルは知能をはかるものではなく、ただ単に経験値をはかるものである。(コンサルのフェルミ推定とかもそう、本当に知能を図りたいなら毎年全く違う種類の試験にすべきである。騙されてはいけない。)
古本屋に行って、判断推理・数的処理の本を買ってみよう。少し眺めると僕の言っている意味がわかるはずだ。そう、ほとんど似たような問題の繰り返しである。
この種の問題は
①誰でも時間をかければ解ける(しらみつぶしするとか)
②あっと驚くような最短距離の解法がある
という特徴がある。
なので1冊やれば十分。本番で8割は見たことのある問題になる。最短距離でほぼ瞬殺だ。残り2割は初見だが、決して難しい問題はでない。じっくりしらみつぶししていけば必ず解けるし、その時間もある。(なんならこれやっとくと民間就活の時のテストセンターも楽勝になる)
英語は今更やっても結果は変わらないので本番で頑張ろう。
次に2部の知識分野だ。
ここは本当に対策がいらない。コスパが悪すぎる。
知識分野は大体5択だ。そして30問出題される。
単純計算で適当にやっても6問も正解できる。
30問あったら得意分野からの出題も少しはある。絶対違うだろ!って選択肢もある。受験の時のおぼろげな記憶がよみがえることもある…かも。
あとは運だ。10問も正解すれば十分。
②総合論文試験
はい、これも対策いりません。
この試験で一番大事なことは、
論理的に誤りのない文章を最後まで書ききる
こと、これにつきる。
出題されるお題に詳しい必要は一切ないといっていい。
やってみるとわかるが、この試験もやはり時間が足りない。周りにも書き終わらなかった人が多くいた。知識があることは必ずしもいいことづくめではない。知識があるとひけらかしたくなる。結果、文章全体のバランスをそこなう恐れがある。
この試験やるべきことはまず、文章の設計図を作ることだ。まず、結論を考える。そして結論に至る理由を3つくらい考える。理由の説明に必要な背景を考える。
大事なのは、自分の考えや一般論と異なっていても論理すらあればよいという点だ。お題は結構抽象的だが、理由は具体的でも全く構わない。
完全に偏見だが、公務員志望者にはツッコミを恐れて、すべての論点を書き切ろうとする人が多い気がする。絶対に時間が足りなくなるし、内容もうすくなるし、論理性の一貫性が乏しくなりがちだ。論点は3つくらいに止めよう。
③政策課題討議試験
この試験、僕は根に持っているのだが、試験管の一人はディスカッション中爆睡していた。
試験官のやる気はそんなものだと思って軽い気持ちで行こう。
この試験はあるお題に対して、個人ごとに準備期間が与えられ、その後集まって2つの立場に分かれてディスカッションするというものだ。
コツはただ一点。
「人気がなさそうな派閥に所属しろ」
これである。この試験、「理由が考えやすい」とか「純粋にこっちがよいとおもう」とかで立場を選んではダメだ。
この戦略をとることのメリットはこんな感じ。
・派閥の人数が少ないほうが発言機会が圧倒的に多くなる。
・準備時間に相手の理由をあらかじめ考えておき、それに対する反論をメインで考えとくと、頭の回転が速い感じが出る。
・事前に落としどころを考えておくと、そこに誘導しやすい。
公務員だから合意形成が大事だよね^^本気で論破してくる人はあんまいない(し、いても落ちる)と思うので、いうこと言ったら積極的に落としどころに誘導してデキる感だそう。
④企画提案試験
企画提案試験は事前に該当する白書とかがわたされる。ちょっと対策可能な試験だ。
ここでの戦略は「9割の凡策と1割の奇策」だ。
9割はそつなく在り来たりのことを書こう。1割は奇抜なことを書こう。
渡される白書から誰でも思いつく、そしてあまりツッコミどころのないことをダラダラと書く。そして、1割だけ、練りに練った提案を一個する。
大体の受験生の戦略は二つに分かれているはずだ。
・広く浅いが隙のない議論を展開する
・狭いが深いこだわりのある部分について深い洞察を展開する
これのいいとこ取りだ。
「こいつは視野が広くて網羅的に物事を考えられるな、でも突っ込んで見ると意外と深い洞察があるじゃないか」
こう試験官に思わせたらこっちのものだ。
本当はすべてのツッコミに当意即妙に答えられたら良いのだが、そんな天才はいない。
だからツッコミポイントをあえて用意する。それが1割の部分だ。
ぶっちゃけその1割も自分で考える必要はない。
ちなみに僕は「死亡消費税」を導入すると書いた。インパクト重視だ。
なるべく、メリットもデメリットもたくさんあるような政策が望ましい。
ネットや本で論点をしらみつぶしに読み漁ろう。そして、答案にはメリットと、デメリットを両方書く。ここで、偏った見方ではないことをアピールする。もちろんメリットを強調する。
コツは少し隙を見せることだ。
試験官はあげたりない論点や詰め切れていない論点を見ると鬼の首でも取ったように指摘してくる。そこを事前に用意してきたテンプレで完膚なきまでに叩きのめそう。
テンプレを出す際は、その場で考えた感じを出せば完璧だ。少し言葉に詰まってみたりしても良い。
⑤人物試験
これについてはただの面接だ。普通にやっていれば大丈夫。
まとめ
①基礎能力試験
I部
数的処理だけ勉強しろ。
Ⅱ部
運ゲー。行きの電車でおばあさんに席を譲って徳を積もう。
②総合論文試験
ともかくまともな文章を書ききるだけ。
③政策課題討議試験
マイノリティに属せ。
④企画提案試験
局所的に変な奴になれ。そこだけ徹底して詳しくなっておけ。
⑤人物試験
ニコニコしろ。
以上!!
国家公務員についてのネット上での情報が不足していると感じます。
試験以外のことでも何でも良いので質問がある方はこちらにお願いします!
ブログで回答いたします。
↓↓↓
国家総合職教養区分は受験するメリットしかない。今すぐ申し込んだほうがいい。
教養区分受験のススメ
僕はとある省庁で公務員として働いている。
昨今不人気な公務員だが、実際そんなに悪い仕事じゃない。と思う。
給料だっていうほど悪くないし、やりがいだってそれなりにある。
もっともっと優秀な人に入ってきてほしい。
今の惨状をみれば、優秀な人が選ぶ職場じゃないのは当たり前じゃないかと言われるかもしれない。
でも、そもそも受験もしないで諦めている人の中に、たくさんの才能が眠っていると思って、その才能を一つでも掘りおこしたいと思って、この記事を書く。
「ただで官僚になれるなら日本のために働いてやるか~~~」
「法律とか経済とか興味ないけど、なんか国動かしたいな?」
「官僚になって、あいつを見返したい」
動機はなんだっていい。政策の知識ややる気なんて後からどうにでもなる。
優秀な人が公務員になることはいいことだ。
そんな人のために、今日は国家総合職教養区分を紹介したい。
教養区分とは
みなさんはご存じだろうか。官僚になる資格を得るための試験にはたくさんの種類がある。法律・経済・行政・理系の各分野、、、その中の一つが「教養区分」である。
「いや、まず「教養」をテストするってどういうことなんだ?法律や経済はわかる。教養はテスト不能なんじゃないか…?」
そう思った人は正しい。
僕は教養が何たるかをうまく言語化できないが、すくなくともこの試験は教養の度合いを測る試験ではないことは断言できる。ではどんな試験なのか。HPを見てみよう。受験案内にはこう書いてある。
教養区分は、既存の試験区分以外の専攻分野の学生や外国の大学の卒業者など多様な有為の人材確保 に資するよう、企画立案に係る基礎的な能力の検証を重視した試験の区分です。 このため、専門試験は課しませんが、幅広い教養や専門的知識を土台とした総合的な判断力、思考力 を判定するための「総合論文試験」、企画力、建設的な思考力及び説明力などを判定するための「企画 提案試験」を課すこととしており、特に企画提案試験については事前の準備が必要となります。
お分かりいただけただろうか。
・基礎的能力を試し
・専門性はいらず
・企画提案試験以外はそんなに準備がいらない
試験なのである。
詳しいことは人事院のHPを見てくれ。過去問とかも見れる。
総合職試験(大卒程度試験)教養区分|国家公務員試験採用情報NAVI
さて。なんかいけそうな気がしてきましたね?僕もいけそうな気がします。
教養区分を受けるべき5つのメリット
それでは教養区分を受けるべき5つのメリットを発表しよう!
①タダ
公務員試験のいいところはなんといってもこれである。試験料無料!
無料なんだから受けなきゃ損でしょ。
②そんなに倍率高くない
ちょっと倍率を調べてみると平成29年度試験はこんな感じだったみたいだ。
試験の区分 |
申込者数 |
第1次試験合格者数 |
最終合格者数 |
教養 |
2,811 |
263 |
135 |
試験当日、会場に来るのはそのうち半分ちょっとだ。(実体験によれば)
そのぐらい、軽い気持ちで申し込んでいる人が多い。
2次試験になるとさすがに欠席者は多くないが、僕が受けた教室でも来ない人はいた。
さらに言うと途中で試験官と喧嘩して帰った人もいた笑
一次試験は運の要素がかなり強い。
会場に半分ちょっとしか来ないとなると5分の1の確率で一次試験を突破できる。
サイコロでぞろ目を出すより簡単なんだからやらない手はない。
③試験対策が(ほとんど)いらない
これはマジ。なぜか。
公務員ガチ勢で、この区分に主眼をおいて勉強しているヤツはまずいない。求められる知識の範囲が広すぎて「コスパが悪い」からだ。
世界史から1~2問、日本史から1~2問。そのために教科書を通読して覚えるコストたるや。そんなことをしている暇があったら合格人数も多く、勉強量に比例して得点が上がりやすい法律や経済の勉強をしたほうがいいに決まっている。
だからみんな片手間で受ける。だからこっちも片手間で受けてやろう。
運で受かる。僕は運で受かった。
そりゃ法学ガチ勢は憲法の問題を必ず正解するかもしれない。
でも、そんな1点は余裕でひっくり返る量の運ゲー問題があなたを待っている。
安心して鉛筆を転がしてほしい。
ただしちょっと例外はある。数的処理は少し勉強しよう。これは運じゃない。そして、ガチ勢達も法律や経済の教養試験で必要なのでこっそり勉強している。ここで遅れを取るわけにはいかない。
④国家公認教養人になれる
合格した暁には君は「国家公認教養人」だ。
誰もうまく説明できないけど、誰しもがあったほうがいいと思っているもの。それが教養だ。それを国家が認定してくれる。しかも無料。お買い得にもほどがある。
⑤民間就活と併願できる
これには二つの利点がある。
まず試験の時期。他の試験区分と教養区分の大きな違いはここにある。
教養区分は冬に結果が出る。つまり、あなたは3年生の時点で国家総合職試験に合格が可能なのだ。
就活が本格化する前にあなたは国家公認教養人になっている。そのあとは法律や経済を勉強している人をしり目に民間就活を気のすむまでやればいい。
逆に試験対策がいらないからこそ、教養区分の前に民間就活をできる。インターンとか外資とかは冬前から選考がある。なんとこれを受けておくのは教養区分の受験にも有利なのだ。
教養区分の2次試験ではGDやらコンピテンシー面接やら、民間っぽい項目がたくさんある。しかし、公務員ガチ勢は民間就活に見向きもしていないから、この教養区分で人生初めて就職の面接を受ける人が一定数いる(僕もそうだった)
初めてのグループディスカッションをするガリ勉ピープルの中に、強そうな外資のインターン面接をくぐり抜けてきた人が入ったら、、どうなるかは想像に難くない。
まとめ
「俺はこんなところで終わる人間じゃねぇ」って思ってる人
意外と公務員も悪くないよ
まずは教養区分を受けてみよう!
ちょっとした対策はこちらから!
↓↓↓
国家公務員についてのネット上での情報が不足していると感じます。
試験以外のことでも何でも良いので質問がある方はこちらにお願いします!
ブログで回答いたします。
過去の回答はこちら
↓↓↓
MIT Newsを読むための単語:China could face deadly heat waves to climate change
毎日MIT Newsを読むことにしていますが、専門的な単語もあるので、readingの理解を助けるように単語を記録しておきます。
皆さんの勉強の一助になれば幸いです。
本日は中国が将来熱波に襲われるという記事を紹介します。
単語
vulnerability | 脆弱性 |
irrigation | 灌漑 |
evaporation | 蒸発 |
exacerbating | 悪化する |
looming | 迫りくる |
proximity | 近接 |
quantitative | 定量的 |
empirically | 経験的に |
be confined to | 限定された |
threshold | 閾値 |
parsist | しつこく主張する、言い張る |
water vapor | 水蒸気 |
offset | 相殺する |
超村上春樹論
村上春樹は凄い作家である。おそらく音楽でいうロックのようなものだ。
ある年齢以上の人には全く理解されない。時代の要求に応え生まれ、しかしやがてただの若者の娯楽となる。
芥川賞の選考で文壇の重鎮に酷評されたのは有名な話だ。
村上春樹の小説もそんな時代性を強く感じる。極論だがもはや僕たちには娯楽として楽しむしかないコンテンツ、と思う。
僕たちの世代が、村上春樹を娯楽としてしか楽しめない理由の一つに、セックスがあるだろう。
よくある「村上春樹は性描写に頼り過ぎだからダメ」という批判ではない。
むしろ村上春樹はセックスを小説の中で効果的に使っている。ではなにがダメなのか。それは彼の小説内の登場人物がセックスを日常の一部にしすぎていることである。暇つぶしといったおもむきすらある。
彼の生きた時代、若者は三無主義などといわれた。無気力無関心無責任。戦後復興を果たし、同時に戦争を知らない世代が過半数になる。上と下の世代が噛み合ない、そんな中で若者は三無のセックスに逃げたのだろう。そしてそれを当たり前のようにかっこ良く、詩的にこなす登場人物に憧れた。
そんなあり方を敗戦を乗り越え、戦後復興に全力を尽くしてきた世代が受け入れるだろうか?否である。
では、現代の若者はどうだろう。
オタクという言葉がある。インターネットの発達もあって、現代の若者は好きなことに熱中しやすい。大人からみれば相も変わらず三無主義に見えるのかもしれないが、内なる炎は秘めている。セックスよりも楽しい暇つぶしがあるのだ。更にいえば暇ではないのかもしれない。
統計的にみても現代の若者は昔の若者に比べて性に無関心なようである。
そのような世代はやはり、「あたりまえの、挨拶代わりのセックス」に共感し得ない。
更に論を進めよう。
僕が読んだ村上春樹の小説の主人公は男ばかりである。よって女性は客体として描かれる。男性の視点から描かれる女性は、やはりセックスを当たり前の暇つぶしとしてとらえているような印象をうける。
しかしこれはエゴである。そうあってほしいという男性側の願望の現れだ。
淡白で、少し陰があって。煙草を吸うように、酒を飲むように、セックスをする。そんな青年像にかっこよさを見いだしたのが村上春樹世代なのだろうが、その男性主人公の目を通してみた女性像からは男尊女卑の香りが漂うのである。女性はたしかにすぐ求めに応じたのかもしれない。でもそれは苦渋の末の諦めの結果であり男のいう「やれやれ、と僕は思った」的なものではない。
ここにも時代背景は絡んでいると思う。70年代後半、キャリアウーマンという言葉なども登場し、男女平等が名実共に達成され始めた。女性が思い通りにならない時代。そんななか、村上春樹の小説では、主人公は淡白で、いったん女性が離れて行っても最後にはまた彼女の方から戻ってくる。
時代に受け入れられたのは、この過去への男達の憧憬もあったのではないだろうか。
最後に経済学部的とんでも理論を披露したい。
村上春樹のデビュー作「風の歌を聴け」で主人公と鼠という友人が会話するシーンだ。
「明日の2時。」
と鼠が言った。
「ねえ、女って一体何を食って生きてるんだと思う?」
「靴の底。」
「まさか。」
と鼠が言った。
靴の底。経済学徒にはなじみの深い言葉である。そう、「靴底コスト」だ。
インフレになると利子率は高くなり、人々は現金を預金しておきたいと思うようになる。現金をほとんど持たなくなると、しょっちゅう銀行へ行って預金を引き出さなければならない。この銀行に通いすぎて靴底が減ること(不便)をインフレーションの「靴底コスト」という。
そう考えるとこの一節、意味深だ。
女は金食い虫、会いに行くのは面倒だ。ととれないだろうか?
ここにも村上春樹の女性観は現れているのである。
やれやれ。